「「「エナジードリンクは砂糖水です!!」」」
たった今、僕は全国のエナージードリンク愛好家を敵に回しました。
実際のところエナジードリンクに否定的な主張をする人ってよくいますよね。
「エナジードリンクに効能はないから意味がない!ただの砂糖水!」
「カフェイン取るならコーヒーとかでもいいだろ!」
これを否定したいというのが今回の記事。
「まぐ」です。デザインの勉強をしているフリーランスです。
あからさまに強気すぎる価格設定なのにエナジードリンクが売れる理由を、私は半分想像して分かったつもりでいながら、もう半分は疑問に思っていた状態でした。この機会に整理を自分なりにしてみたので、当記事で皆さんと共有します。僕はあくまでデザインの人間・マーケティング素人なので初心者さん向けです。
エナジードリンクに効能はないのか。
【結論】一般に言われているような効能はない
大前提として僕はエナジードリンクがカフェイン入りの砂糖水であることに賛成します。
そもそも僕は効能があると主張したい訳ではありません。
エナジードリンクの主成分は砂糖、カフェイン、ビタミンB群、アルギニンあたりが中心。
エネルギー | 85kcal |
炭水化物 | 20g |
ナトリウム | 148mg |
ビタミンB2 | 0.2mg |
- | ビタミンB群各種 |
アルギニン | 222mg |
カフェイン | 80mg |
(185ml缶の成分/レッドブル) |
カフェイン量はせいぜいコーヒー1杯程度の量だし、理屈で言えばビタミンBやアルギニンに効果があるのかもしれませんが、その量はたかが知れてます。
「これを飲んだら元気が出る」、なんてことはプラシーボ効果でなら考えられても 成分による効能では考えにくいし、カフェインの入った別の飲み物を買ったほうがコスパも絶対にいいでしょう。
むしろ飲むだけでハイになっちゃう飲み物があったらヤバくないですか。逮捕されちゃうやつじゃん。合法で飲めるのもあります。ストゼロっていうんですけど。
某メンタリストは研究結果とともにエナジードリンクに効能がないことを伝えています。
これでエナジードリンクに効能が無い理由を少しは補強できたでしょうか。
では、なぜエナジードリンクは「ただの砂糖水」ではないのか。皆は何に価値を感じて砂糖水に高い水を出しているのでしょうか。
エナジードリンクの価値はどこにあるのか
記事タイトルに【エナジードリンクで買うのは『効能』ではない、『体験』だ】と記しました。ここからこの中身について掘り下げます。
RedBullやMonsterEnergyのような有名なエナジードリンクブランドが共通してやっていることがあります。
逆に言えば...
一発屋に終わって沈んでいったり(サントリー『南アルプスPEAKERビターエナジー』、ハウスウェルネス『SAMURIDE』など)、 細々と低価格帯で続けているような(マツモトキヨシ『EXSTRONG』、トップバリュ『ENERGY HUNTER』など)、日本のエナジードリンクたちが共通してやっていないことでもあります。
それが...
エクストリームスポーツです。(正確には他にもやっていますが、話を分かりやすくするために今回はエクストリームスポーツを例に話をします)
ここからレッドブルで例を挙げましょう。
レッドブルがエクストリームスポーツプレイヤーのスポンサーになったり、ド派手なスポーツをやったりしています。
レッドブルのロゴとともに「スポーツカッコいいプレイ」「盛り上がる群衆たち」「レッドブルを選手、観客皆が片手に持っている姿」が映る姿は誰もが知っていること。
スポーツチームや選手にスポンサードしている企業は多くありますが、大抵の場合、企業や製品の「ロゴ」をスタジアムやウェアに記載するとか、製品を提供するようなもの。一方、レッドブルは全く持って異なり、イベントそのものを自らが継続的に開催しています。日本でも幕張のエアレースとか盛り上がってましたよね。(スポンサーもやっていないわけではありません。)
レッドブルの価値はこういったイベントを自ら開催していることあると考えています。
イベントから感じられる要素「スポーツに熱狂すること」「エネルギッシュに活動すること」と、レッドブルを飲む人が飲み物としてのレッドブルに求めているものは完全に一致するはずです。
スポーツイベントの開催を通して定着したイメージが、レッドブルという飲み物に価値を与えます。
「熱狂したい時にレッドブル、気合を入れたい時にレッドブル・・・」
レッドブルに求めるものは『効能』ではなく、活動的でありたいという目的に対するイメージを体現したブランドの飲料を飲むことで、飲んだ人自身が「熱狂する、気合を入れる・・・」という『体験』に身を投じることができるということです。
ということで、エナジードリンクには十分な価値があります。これからもガンガン飲んで『体験』していきましょう。糖質がたっぷり含まれているので、健康には気をつけて!
ここからは個人的な意見なのですが、オリンピック種目やプロスポーツにならない、マニアックなスポーツを多く相手にしていることも強みの一つだろうと考えています。普及のしずらさやビジネスへのしずらさに悩みながらもそのスポーツに熱を注いでいる人たちにとって、そのマニアックなスポーツに乗ってくれる存在は、お金だけではない特別な存在でしょう。
日本には人が熱狂するエナジードリンクは生まれないのか【サントリー『ZONe』】
このようなマーケティングを日本のエナジードリンクはやっていないということを上でちらっと書きました。日本のエナジードリンクファンであれば、国産エナジードリンクの成長も気になるところだと思います。
最近頑張っていると個人的に注目しているエナジードリンクのブランドがあります。
サントリー『ZONe』です。
このエナジードリンクは、PCを使ったクリエイティブ作業やゲーミングなどのインドア活動に焦点を当てたもの。では、ZONeはどういったプロモーションをしているのか。
中心となるのは音楽とオタク文化。若い層に支持を集める音楽アーティストとのコラボしてのオリジナル楽曲の展開や、公式バーチャルYoutuberの活動、アニメ作品とのコラボや、謎解きWebアプリの展開をしています。
国産のエナジードリンクが展開するプロモーションとしてはかなり大規模で、かなりの資金を注いでいることは想像に容易いです。レッドブルやモンエナのように定着させる気概が感じられますよね。
ただ、これまでに例に上げたレッドブルのような『体験』とは違う方向性なのかな、と感じます。
画面内のコンテンツに打ち込んだり、気合を入れて取り組むようなイメージには全く結びつかないからです。強いて言えばコンセプトPVにはそれっぽさがありますが。
エナジードリンクとは違った売り方をするのでしょうか。例えば、ターゲット層のひとつであるオタクたちはクリエイターを支援する気持ちでお布施する文化があるので、コラボやプロモーションに登場したインフルエンサーのファンがお布施感覚で買うようになることはあるかもしれません。
しかし、そこから得た人気は「エナジードリンク」としての成功ではなく、あくまで「エナドリではない清涼飲料水」としての成功で、そのブランドに対して人々が感じる価値はレッドブルやモンスターとは違った感覚になると思います。
過去に発売されている全てのZONe4種についてのレビューと、日本のエナジードリンクについてすこし語った記事があるのでぜひご覧ください。
何はともあれ、本気さが伺える国産エナジードリンクということで、注目しています。これから面白くなりそうですね。