法人用の銀行口座は月額の利用料や厳しい審査など、個人の口座とは勝手が違います。
この記事ではマイクロ法人と個人事業主の二刀流を2年以上続けている経験から得た知見をもとに、マイクロ法人用の口座の選び方と注意点をまとめて共有します。先に結論を述べると、2024年現在はGMOあおぞらネット銀行を薦めます。
マイクロ法人に使う法人銀行選びの参考になると幸いです。
まぐです。マイクロ法人をいわゆる二刀流で立ち上げたフリーランスのデザイナーです。
マイクロ法人の法人口座選びで気をつけるべき4つのポイント
大前提として、法人口座は個人が持つ口座とは様々な違いがあり、気をつけるべき点も特徴的です。
- 大手メガバンクは審査が非常に厳しい
- 月額数千円の口座維持手数料がかかるものもある
- 【重要】freeeなど、会計ソフト連携への対応の有無
- 【最重要】社会保険料の振替ができる口座は限られる
特に、③社会保険料の振替ができる講座は限られるはマイクロ法人を運営するにあたって非常に重要なポイントです。順番に解説します。
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1. 大手メガバンクは審査が非常に厳しい
UFJや三井住友などと行った大手メガバンクは口座開設の審査がかなり厳しく、かなりの信用力が必要になります。
審査を通すには、それなりの資本金や取引実績が必要になってくるほか、会社のホームページURLを求められる場合もあります。
法人を設立してまもなくは実績もありませんし、マイクロ法人であれば100万円未満の資本金で会社を設立している場合も多いでしょうから、メガバンクの口座開設審査を通すのはかなり難しいです。
ゆうちょの法人口座を開設するのもそれなりに難しいと言われており、僕は法人を立てた直後に一度審査落ちしています。
メガバンクと対象的に、審査が通りやすいのはネット銀行となります。僕の場合は法人設立直後にSBI銀行とGMOあおぞらネット銀行に口座開設を申し込み、どちらも口座を開設することができました。
2. 月額数千円の口座維持手数料がかかるものもある
法人口座の場合、月額2,000円程度の口座維持手数料がかかるものも珍しくありません。特にメガバンクは有料プランと機能を削ぎ落とした無料プランが併設されていることが多いので注意が必要です。
大型のビジネスを展開しているのであれば利用料がかかる口座も良いかもしれません。しかし、手元に残るお金を増やすことを目的にしたマイクロ法人の運営では、利用料無料の口座を使って小さな支出も減らしたいです。
ほとんどのネット銀行が口座維持手数料は無料ですが、一部例外(イオン銀行)もあります。詳しくは後述します。
3. freee会計など、会計ソフト連携への対応の有無
銀行口座がfreeeやマネーフォワード等のクラウド会計ソフトに対応しているかを確認する必要があります。これは法人に限らず個人事業用で口座を開く際も重要なポイントですね。
具体例を挙げると、楽天銀行はfreee会計への連携に対応していません。
税理士なしでマイクロ法人を運営する場合、会計ソフトはfreee会計1択であると考えているので、freeeとの連携機能は必須です。
税理士を使わずに自力でマイクロ法人を運営する場合、会計ソフトはfreee一択であると考えている理由はこちらの記事で詳しく解説しています。
4. 注目すべきは「社会保険料」の口座振替に対応しているか
一番重要なのは社会保険料の口座振替に対応しているかどうか。これは法人特有でありながら実際に口座を法人を運営していないと気がつきにくい要素です。
マイクロ法人を建てて役員に報酬を払うようになれば、社会保険料を会社から毎月支払うことになります。この支払い方法はざっくり3通り用意されています。
社会保険料を支払いかたは3種類
- 法人口座から自動振替
- Pay-easy(ペイジー)で支払い
- 払込用紙を使って支払う
社会保険料の支払いは毎月発生する作業。それを毎回手作業でこなすのは面倒なので自動振替を利用したいところ。しかし、社会保険料の振替に対応しているのは一部のメガバンクとゆうちょのみとなっているのが現状です。
上で説明した通りメガバンクの口座開設は困難なので、残る手段は「ペイジーでネット決済する」か、「払込用紙を使って振込する」かの2択となります。毎月払込用紙を持って銀行やコンビニに行くのは面倒なので、どうにかしてペイジー対応の法人口座を開設するべきです。
ここまでをまとめると、マイクロ法人の法人口座開設に求められるのはざっくり分けて以下の4点です。
マイクロ法人が法人口座に求めるもの
- 月額利用料が無料である
- 審査ハードルが低く、設立初年度のマイクロ法人でも開設しやすい
- freee会計と連携できる
- 社会保険料のPay-easy(ペイジー)払いや口座振替に対応している
有名なネット銀行5行を比較
マイクロ法人でも口座開設の審査が通りやすいのがネット銀行の特徴ですが、銀行によってサービス内容は異なります。
主要なネット銀行5行の情報を次の表にまとめました。
GMOあおぞらネット銀行 | 住信SBIネット銀行 | 楽天銀行 | PayPay銀行 | イオン銀行 | |
---|---|---|---|---|---|
月額利用料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 2,200円 |
振込手数料(同行宛) | 無料 | 無料 | 52円 | 55円 | 無料 |
振込手数料(他行宛) | 145円 | 145円 | 229円 | 160円 | 5万円未満 220円 5万円以上 440円 |
社会保険料の口座振替 | 対応(24年4月1日~) | - | - | - | 対応 |
Pay-easy | 対応 | - | 対応 | 対応 | 対応 |
freee口座連携 | 対応 | 対応 | 対応 (23年12月復活) | 対応 | 対応 |
当ブログ管理人の審査結果 | 成功 | 成功 | 却下 | 未挑戦 | 未挑戦 |
表の中でも特筆すべき部分は以下の通り。
- イオン銀行は月額料金がかかるが、社会保険料の口座振替にも対応している
- 楽天銀行とPayPay銀行は振込などの各種手数料が少し高い
- 楽天銀行はfreee会計の口座連携に対応していない
- 住信SBIネット銀行はPay-easyに対応していない
ネット銀行の中でも珍しく、イオン銀行は月額料金が有料で社会保険料の振替に対応しています。ただし、サービス内容がメガバンクに近いことから口座開設の難易度も高いことが予想されます。
ちなみに僕が法人設立してすぐに口座開設の審査に出したのはこのうちの3つ「GMO」「SBI」「楽天」で、実際に審査が通ったのは「GMO」と「SBI」でした。実際に「GMO」「SBI」は審査が通りやすいとの評判が多く、法人口座を持つならこの2行を使うのがが最も確実だと言って問題ないと感じます。
GMOあおぞらネット銀行が社会保険料の口座振替に対応したのは2024年4月からです。
マイクロ法人におすすめできる法人口座は1つに絞られる
ここまでをまとめると、マイクロ法人の法人口座に求めるものは次の4点です。
- 月額利用料が無料
- 審査ハードルが低く、設立初年度のマイクロ法人でも開設しやすい
- freee会計と連携できる
- 社会保険料のPay-easy(ペイジー)払いや口座振替に対応している
上の比較表を見ると分かる通り、以上の4点を全て網羅しているのはGMOあおぞらネット銀行のみとなります。
Pay-easy(ペイジー)対応でGMOあおぞらネット銀行が大きく前に出た
2022年までは「手数料が高いがペイジー対応の楽天&PayPay」 VS.「手数料が安いがペイジー非対応のSBI&GMO」という横並びの構図でした。
しかし2023年1月、GMOあおぞらネット銀行がペイジーに対応。さらに2024年4月から社会保険料・国民年金保険料の口座自動振替にも対応。これをきっかけに唯一無二の立場を築いています。
プライベート用の口座も作成して役員報酬を支払えば振込手数料もかからない
これはGMOに限った話ではありませんが、同社あての振込手数料は無料となっています。
GMOあおぞらネット銀行(法人) | |
---|---|
振込手数料/当社宛て | 無料 |
振込手数料/他社宛て | 145円 |
それに対して、GMOあおぞらネット銀行の個人口座は月一回まで他社あての振込が無料。
GMOあおぞらネット銀行(個人) | |
---|---|
振込手数料/当社宛て | 無料 |
振込手数料/他社宛て | 月1回まで無料(以降75円/回) |
プライベート用の口座も一緒作成して毎月の役員報酬の受け取り、そこから元々のプライベート用口座に振り込めば一切の手数料をかけずに運用できます。
最短当日で審査&開設できるほど手続きが手軽
法人口座は個人口座と比較して審査が煩雑になることが多く、例えば楽天銀行ならオンライン完結ができずに書類の送付が必要です。一方でGMOあおぞらネット銀行はオンライン完結かつ最短即日で開設できるほどに手軽であることも特徴です。
法人口座を複数持つことは問題ないので、今後もっと条件の良い銀行が出た際は新たに申し込んで大丈夫。とりあえずサクッと審査を投げておくことをオススメします。
まとめ
2024年11月時点でマイクロ法人におすすめな法人口座はGMOあおぞらネット銀行。
- 月額利用料が無料
- 審査ハードルが低く、設立初年度のマイクロ法人でも開設しやすい
- freee会計と連携できる
- 社会保険料をPay-easy(ペイジー)で支払える