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【2ヶ月使用レビュー】REON POCKET 4は用途を選ぶ不器用な優等生【SONY】

ここ数年で首筋に冷たい/温かいパネルを当てる「ネッククーラー」や「着るエアコン」を謳った製品が増えています。多くの製品が中小企業の製品や中華製品で占めるなか、SONYが「REON POCKET」を発売しています。

今回、2023年4月に発売されたREON POCKET 4を購入してクーラー機能を1ヶ月ほど使ったので正直な感想とともに、この製品を勧められる人、買うべきでない人まとめてこの記事で共有します。→2ヶ月使用しての使用感をもとに追記、修正しました。

REON POCKET 4の特徴

REON POCKET 4の機能そのものは単純で、この銀色の面が冷たく(暖かく)なるというもの。

これを首にかけて、銀色の面を背中に直接触れさせることで体を冷やします。類似製品の多くは冷却機能のみのものが多いですが、REON POCKETは温めることも可能です。

細かい点ですが、2022年に発売されたのREON POCKET 3ではREON POCKET本体と首掛け用のアタッチメントは別売りでした。これがREON POCKET 4では同梱となっており、その分だけ費用を抑えられるようになっています。

REONPOCKET 3REONPOCKET 4
本体価格(実売価格)14,850円(2.2万円前後)16,500円
ネックバンド1,980円0円(本体に付属)
合計16,830円(2.4万円前後)16,500円
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中には夏場の室内で強すぎる冷房を緩和するためにWARMモード使う女性もいるとかいないとか

操作はスマホアプリでしかできないが、起動する機会は少ない

設定はアプリからできるようになっており、「手動で強さを変えるモード(冷やす/暖める 各4段階)」と「自動モード(冷やす/暖める)」が用意されています。

色々なモード・強さで試したのですが、最終的には自動モード「SMART COOL」に設定したまま放ったらかす形に落ち着きました。

ここで面倒なのが、REONPOCKETは原則アプリからの操作しか受け付けていない点。本体には1つだけクイック起動ボタンがついており、このボタンには一つしかモードを割り当てることができません。(設定はアプリから行います。)

一日中COOLモードのままで使うのであればアプリを起動する必要が無いので問題ありません。

一方で「野外ではCOOL、冷房の効きすぎた室内ではWARM」といった使い分けをしたい方の場合、モード切り替えのたびにアプリを起動する必要があるのが面倒になります。

【良い点】REON POCKETの価値は目立ちにくい見た目にある

ネッククーラーは首にかける製品が多く、目立ちやすいのがデメリットでした。特に人が多い町中などでは目立って使いにくいんですよね。

ネッククラーの中でも有名な国内ブランド「サンコー」の「ネッククーラーSlim」の画像を比較用に載せておきます。

サンコー(Sanko)
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REON POCKETは小さく薄く、取り付けるのも背中側で半分以上はシャツで隠れます。目立つ製品が多い中でREON POCKETが目立ちにくいということが大きな利点です。

サンコーのネッククーラーは滅茶苦茶にデカいですが、その分REON POCKETより冷える感覚は強く感じます。ネッククーラーSlimは首筋の太い血管に冷却部を直接当てられるうえ、そもそもの冷却性能も高いので、REON POCKETより冷える感覚は強く感じます。

REON POCLETの冷却性能は一段劣るので、この一長一短を自分の目的と比べる必要があります。

バッテリーは1日持たないと思った方がいい

バッテリーは内蔵されており、USB-Cで充電できます。公式が案内しているバッテリーの持続時間は以下の通り。

COOLWARM
約9時間レベル1約8時間
約8時間レベル2約6時間
約7時間レベル3約5時間
約4時間レベル4約4時間

環境によって異なるので一概には言えませんが、実際に屋内・冷房なしでのデスクワーク中に自動モードで使うとおおよそ5~6時間程度で電源が切れることが多いです。

充電しながらの稼働はできるので、モバイルバッテリーと長めのケーブルで繋げば長時間使い続けられます。しかし、動き回りながら使うとケーブルが邪魔になるので使えるシーンは限られます。

11時に使い始めたらだいたい17時過ぎにバッテリーが切れる感覚。一日外出して使う際には少しだけ物足りなさを感じます。

給排気の駆動音は気になる人もいそう

本体の吸気/排気は下から上に流れる形になっています。人によっては温かい排気が首に触れて不快に感じるとの口コミがありますが、個人的には気になりません。

一方、人によって不快に感じるかもしれないのがファンの駆動音。野外では気にならないものの、屋内でデスクワークをしていると普通に聞こえる程度のノイズです。

仕事中に部屋の換気扇や扇風機をつけっぱなしにしていると駆動音が気になってしまうほど音に敏感な方には勧められません。

冷却効果が実感できるかは用途次第

結局のところ一番気になるのはREON POCKETが効くのかどうかという点。

用途次第ではほぼ意味がない場面もあれば、活躍する場面もありました。ざっくりとした所感は以下の通り。

  • 効果を感じられる場面
    • 屋内でデスクワークや家事をしながら使う
    • 野外で短時間(10分程度)の軽い散歩
      • 35度オーバーの環境では10分でも怪しい
  • 効果を感じない場面
    • 野外でまとまった時間の活動
    • 野外で自転車を漕ぐなどといった軽い運動

屋内での効果は十分に体感できる

屋内ではデスクワークなど安静にしている時はもちろん、家事程度の軽い動作程度でも問題なく効果を実感できます。

電車の冷房など、最近は屋内でも暑い場所が増えているので色々な所で活躍してくれそうです。

屋外での効果は期待したほどではないと感じる場面が多い

近所のスーパーやドラッグストアで買い物する程度の外出など、肌から軽く汗がにじむような短時間の活動であれば、その汗を抑える程度の効果を感じられます。(天気や温度にもよる)

7月追記:35度を超える日には外を歩いて10分も経たないうちに汗をかきました。そもそも35度超える日に外出する方が悪い説もありますが...

ただ、長時間外を回るとなれば話は別。体温計を使って比較検証すれば数値上はマシになっているのかもしれませんが、少なくとも体感では効果を感じません。更に自転車を漕ぐなどといった運動時は論外です。

意外と活躍しそうなのは、エアコン代の節約

1ヶ月間使ってみて正直に一番活躍しそうだと思ったのは、エアコン代の節約です。

値段の高騰が続いている電気代ですが、一番お金がかかるのがエアコン代。特に筆者の場合はほぼ自宅にこもって仕事をしているので、毎年夏場のエアコンはつけっぱなしです。

2023年4月にあった外気温30度の日に窓を全開にして「小型の扇風機&REON POCKET」の布陣で挑んだところ、なかなか快適に過ごすことができました。この夏は節電目的でもREON POCLETが活躍してくれそうです。

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筆者は電気代をケチるためにエアコンの設定温度が28〜29度なので、「快適」の閾値は人とは少し違うかもしれません。

REON POCKETを勧められない人

REON POCKETのような製品を求める人には「外回りしまくりの営業マン」や「炎天下で工事現場作業員マン」のような30度超えの野外で長時間戦いたい戦士も多いと思うのですが、これらの用途にREON POCKETのパワーは不足気味です。

移動時だけ軽く外に出る人や、室内でもうちょっと快適に過ごしたい人など、REON POCKETは軽めの用途で力を発揮しそうです。

しかし、REON POCKETの目立たない見た目は他の類似製品には無い大きな利点であるのも事実。

「外回りしまくりの営業マン」にとっては不十分なパワーでも、スーツを着たままを装着しても目立ちにくいという利点を受け入れるという選択肢もあります。

REON POCKET、他社製品のネッククーラー、タオルタイプの良い点、悪い点を比較して自分の用途に合ったものを選ぶのが良さそうです。

もし他社製を選ぶなら、上でも紹介したサンコーのネッククーラーがおすすめ。アリエクで売っていそうな無名中華メーカーのネッククーラーと比べれば圧倒的に信用できます。

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