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【2023年】Illustratorを無料で使いたい。オススメできる代替ソフト1選【結論:Inkscape】

様々な場面で活躍するAdobe Illutratorですが、そのネックは価格の高さ。Illustratorにかかる費用は表の通り、年間契約で2,728円/月と安くはありません。

Illustratorを契約するといくらかかる?

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過去にはIllustrator単体の学生プランが980円/月があったものの、2020年頃に消えてしまいました。更に2023年には各プランが値上げされています。

公式サイト掲載のIllustratorの価格はこのページで確認できます。

.aiファイルやsvgファイルを開けたら十分な人や軽い編集しかしない人にとって、Illustratorの価格は重く感じると思います。無料体験版も用意されているのですが、7日間の時間制限付きなので実用には限界があるでしょう。

そこで、Illustratorの代わりになりそうな無料ソフトを調査&実際にダウンロードして試してみました

この記事では、実際に試したソフト全てのいいところ悪いところをまとめた上で、次にオススメできるソフトをひとつに絞り込みます。

先に結論だけ言うと、Inkscapeがオススメです。(2022年11月:おすすめをravitDesignerからInkscapeに更新)

  • この記事で分かること
    • Illustratorに近い機能を持った無料ソフトの使用感
    • Illustratorの代わりになる最も優秀な無料ソフト
mag

本題に入る前に、Illustratorやベクター描画のソフトにまだ慣れていない初心者の方へ1点だけ提案です。

初心者にはIllustratorの代替になる無料ソフトより、お金を払ってでも本家Illustratorを使うことをオススメしたいです。理由は、Illustratorを使ったほうが将来的には安く済ませることができるから。詳しくは以下の記事にまとめています。

  • 大きな更新履歴
  • 2020年7月 記事の公開
  • 2022年11月 チェック・再調査と反映 さらにオススメするソフトを変更
  • 2023年10月 最新の情報に更新しました

異論は受け付けます!お気軽にTwitterへリプライしていただけたらと思います。

無料で使えるIllustratorの類似ソフト

Illustratorと類似した無料ソフトは多数出ています。オープンソースの「Inkscape」、無料ソフト「Vectr」など。無料ではないですが買い切りソフトの「Affinity Designer」は代替ソフトとして割と有名かもしれません。

今回は無料ソフトに限定して、以下の7つを対象にします。

  • Inkscape
  • Canva
  • Photopea
  • Vectr
  • Corel Vector(旧GravitDesigner)
  • LibreOffice Draw
  • Vectornator

他にもいくつか類似のソフトはあるのですが、極端に情報が少なくてトラブルシューティングに手こずったり、単純に使いにくかったりと問題があったので除外しています。

Illustratorの代替ソフトとして「FireAlpaca」や「GIMP」等を紹介する方が多数いらっしゃいますが、これらはイラレではなくフォトショの代替になります。フォトショとイラレを混同している方が時々いらっしゃいますが、両者は得意なことが根本的に異なるのでご注意ください。

僕が検証で使ったのはMac版ですが、最後に紹介するVectornatorを除いて全てWindows版もあるのでご安心ください。

単純に多機能なのは『Inkscape』

Inkscapeはベクター編集ができる無料ソフトの中でもトップクラスに有名なオープンソースソフトです。普通の無料ソフトではあり得ないような高機能さはオープンソースならではの特徴といえます。

スペルミス????

まず、挙動は少し重め。次に、イラレの代替になるフリーソフトの多くは本家Illustratorの操作方法を参考に作られているのですが、Inkscapeは操作方法もUIもかなり独特です。Illustratorそれなりに扱っている僕がInkscapeを初めて触ったときはちょっと戸惑いました。Inkscape側もIllustratorと操作感が異なることは認識しているようなのですが、Inkscape側の言い分としては「そもそもIllustratorの操作感がベストだとは限らないでしょ」とのこと。これは一理ある。

次に、Illustrator(.ai)のファイルについて。Inkscapeなら.aiファイルを読みこむことができます。ただし、位置ずれが起きることもあり、完璧な状態ではありません。手作業で復旧すればなんとかなりますが工数は増えてしまいます。もちろん、無料ソフトで.aiファイルを読み込んでくれるだけでもありがたいところです。

無料ソフトの中ではユーザー数が多いソフトなので、ネット上に転がっている講座や情報は他の無料ソフトと比較して多い傾向にあります。初心者であれば、ネットからいかに情報を得られるかがソフトを効率的に学習する為に重要な部分。この点はInkscaeの大きな利点と言えます。

Inkscapeまとめ

  • Mac/Win両対応
  • 無料ソフトの中で最も多機能
  • .ai形式のファイルの読み込みはできるが、位置ずれの不具合を確認
  • 公式ではCMYKに非対応なので、印刷物に利用できません。
  • 重い挙動
  • 独特な操作感

Inkscape公式サイトをチェック・ダウンロード

人気の『Canva』はイラレの代わりにはならないが、イラレで作るような制作物を簡単に生み出せる

デザイン系ツールとして人気の『Canva』は、バナー画像やポスターなどをテンプレ素材から簡単に作成できる便利なデザインツールです。本来ならイラレで制作されるような見た目の制作物を作成できるので誤解されがちですが、ベクターデータは扱えないのでIllustratorの代わりにはなりません。

ちなみに、.aiファイルを読み込ませた場合はレイヤーごとに1枚の画像として表示されるようになります。例として、上の画像は.aiファイルを読み込ませたものです。本来『MAGLOG』という文字はベクターデータなのですが、Canvaではひとつの画像として扱われています。

Illustratorの代わりにはならないものの、イラレで制作するようなバナー画像やポスターなどといったジャンルの制作物をテンプレ素材から簡単に作ることができます。イラレでなくても簡単なポスターやバナー、名刺、サムネイルなどを制作できれば良いのであれば、選択肢のひとつになると思います。

Canvaはとても便利なツールですが、用途は見極める必要があります。テンプレを使って制作すると「あからさまなテンプレ感」「Canva感」が丸出しになったり、デザインが被ってしまうこともあります。町内会での配布物や趣味での利用なら気にする必要はありませんが、ビジネス用途ではテンプレ感を出さないひと工夫を学ぶ必要がありそうです。

Canvaまとめ

  • Mac/Win両対応
  • イラレで作るような制作物を作れるツールだが、ベクターデータは扱えない
  • .aiファイルは読み込めない
  • イラレとは全く異なるが、お手軽なデザイン制作ツールとして用途を見極めれば活躍する

Canva公式サイトをチェック

本来はPhotoshopの代替フリーソフト『Photopea』

『Photopea』はウェブ上で動作する無料アプリです。動作は不安定で、クリックしても期待した操作ができないことがあります。

元々このアプリはIllustrator(ベクター)ではなくPhotoshop(ラスター)に習ったものなのですが、実はこのアプリでもベクタデータを扱う機能は備わっています。これはPhotoshopにも簡単なベクター編集機能が備わっていることに由来するので、機能はかなり簡素で本家イラレには遠く及びません。

一見イラレの代用としては厳しそうに見えるこのアプリですが、まさか.aiファイルを読み込むことができてしまいました。上の画像を見て分かる通り、前に紹介したCanvaとは違って『MAGLOG』の一文字一文字がパスとして生きており、個別に編集することも可能です。

本格的な作業はできませんが、シンプルなロゴデータの簡単な微調整などであれば可能性が残ると思い、今回この記事で取り上げました。

Photopeaまとめ

  • Mac/Win両対応
  • ブラウザ上で動作
  • 動作は不安定
  • ベクター編集の機能はかなり簡素
  • パスが生きたまま.aiファイル読み込める

Photopea公式サイトをチェック

ブラウザで扱える『Vectr』

ブラウザの画面上で制作できるベクター編集ソフト『Vectr』ですが、Illustratorの代替としては十分に機能しません。できることがかなり少なく、パスの変形も思うように扱えないことが理由に挙げられます。今後のアップデートに期待です。

  • Illustratorの代替としては機能しない

リリースから時間が経ってきましたが日本語の情報は依然少ないままですね。徐々にアップデートも追加され、一時期はMac専用スタンドアロン版(現在日本ではダウンロード不可)もリリースされるなど、一歩一歩前に進んでいる様子で今後が楽しみです。

Vectr公式サイトをチェック

安っぽさがない『Corel Vector』(旧『GravitDesigner』)

GravitDesignerは有償版、無償版それぞれの用意があるソフトです

追記)しかし2022年、名称が『Corel Vector』に変更されるとともに、ダウンロードソフトからWebブラウザ上で編集するオンライン版に変更されました。さらに、無償版が15日間限定の体験版に変更され、実質的に無料で使えるベクター編集ソフトではなくなってしまいました。以前は『GravitDesigner』が最もオススメしていたソフトなのですが、今回のアップデートをきっかけにこの記事でオススメする無料ソフトからは除外することとしました。

使用感は先に紹介したInkscapeと比較して、アイコンの場所や機能名、仕組みなどどれをとっても本家Illustratorにかなり近いです。

.ai形式のファイルを読み込んでみたところ、レイヤー情報が消えて全てが1つのレイヤーに重なった状態で表示されました。Inkscapeと比較すると、GravitDesignerはより完全体に近い形での読み込みができています。

全体通して、無料ソフトの中ではこれはかなり使いやすかった印象です。

Corel Vectorまとめ

  • Mac/Win両対応
  • 無償版でもそれなりに扱える
  • 有償版に切り替えるとCMYK(印刷物)や高解像度に対応するほか、カラースウォッチ等作業効率化機能が開放
  • .ai形式のファイルは読み込める。ただしレイヤー情報は消える
  • Illustratorに割と近い操作感
  • 2022年現在、日本語の情報が徐々に増えてきている傾向
  • 2022年:無償版が消滅し、無料で使えるのは15日間の体験版のみに。

Corel Vector オンライン版はこちら

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Office系無料ソフト『LibreOffice Draw』

LibreOffice Drawは、オープンソースで開発されているオフィスソフト群「LibreOffice」の中の1ソフト。完全無料です。

ベクター編集ソフトとして紹介されていますが、Illustratorとは少し違う印象を受けました。資料を作成をパワーポイントやKeynoteでこなしている方がよくいると思うのですが、イメージとしてはその用途が近いのではないでしょうか。

LibreOffice公式サイトをチェック・ダウンロード

LibreOffice Drawまとめ

  • Mac/Win両対応
  • できることはパワーポイントに近い
  • 独特な操作感

【Mac/iPad限定】『Vectornator』

Macユーザーであれば『Vectornator』が選択肢に入ります。元々タブレット端末で利用することを想定したものなのでUIは独特ですが、かなりの高機能です。本当に無料でいいんでしょうか。

iPad版「Vectornator X」で作成したものは.Aiファイルで書き出すことも可能。一方、Mac版Vectornatorで.Aiファイルで書き出すことはできませんでした。

以前は.Aiファイルを読み込むとファイルが1枚の画像のように表示されてしまい編集することができなかったのですが、現在は読み込むことができるようになりました。

個人的に気になったのは印刷物の作成に必須のCMYKについて。VectornatorはCMYK非対応ではあるものの、iPad版にはCMYKで印刷した時の色合いを疑似再現する「CMYKプレビュー」が搭載さています。これがMac版には見当たりません。

ベクター編集に必要な機能は無料ソフトの中でも特に充実しているので、Macユーザーなら使ってみる価値があります。

Vectornatorまとめ

  • Mac/iPad/iPhone対応(Windows利用不可)
  • 機能はかなり広く網羅
  • .Aiファイルも読み込める
  • CMYK(印刷物)非対応
  • タブレット端末で利用することを想定したUIなので、操作感は独特

VectornatorをMac App Storeでチェック

【結論】無料ソフトを使うならInkscapeをオススメする理由

2021年まで僕がおすすめしていたのは「GravitDesigner」ほぼ一択でした。しかし、この「GravitDesigner」の実質有償化を受け、2023年10月現在ではWindows/Mac両方のユーザーに「Inkscape」をおすすめしたいと思います。

加えて、Macユーザーであれば「Vectornator」も一緒に試して比較検討してみることをおすすめします。

しかし「Inkscape」には気になってしまう点がひとつあります。それは、本家イラレと操作感が異なること。その理由を次に説明します。

  • 当ブログ管理人的「無料で一番使えるIllustratorの代替ソフト」変遷
    • 2020年:GravitDesigner無償版
    • 2022年秋:Inkscape
    • 2023年秋:Inkscape と Vectornator

確認したい大前提「"Illustrator"こそ最強で、お金のことを考えなくて良いならみんなIllustratorを選ぶ」

まず大前提を確認させてください。

  • お金のことを考えなくていいのであればみんなIllustratorを選びますよね。
  • 最終的には無料ソフトでは物足りなくなってIllustratorを使うことになるかもしれません。
  • 無料ソフトを使って仕事を始めたとして、将来もっと稼げるようになってお金に困らなくなったらきっとIllustratorに戻るでしょう。

結局何が言いたいのかというと、無料ソフトの使い心地は本家Illustratorに近いほうが良いということ

mag

無料ソフトを使った後にIllustratorに乗り換えようと思って実際に触ってみたら、今まで使っていた無料ソフトとは操作感が違くて萎えてしまった...なんて事態になる自信があります。IllustratorもInkscapeも1日や2日で使い方を習得できるような単純なものではありませんから。

これを踏まえて話を進めていきます。

InkscapeはIllustratorと操作感が違うことが懸念点

2021年までおすすめしていたGravitDesigner(現:Corel Vector)は使用感がIllustratorに近いので、Illustrator経験者ならスムーズに使い始めることができました。逆にGravitDesignerから始めた人は、将来、比較的簡単にIllustratorに乗り換えられたことでしょう。

これに比べて「Incscape」はソフト全体を通してIllustratorとは異なる独特な操作感が気になるわけです。

.aiファイルを正しく開ける点は魅力的

仕事で本格的に使うとなればイラストレーター用のファイル形式である.aiでやりとりをすることがほとんどでしょう。

Inkscapeで.ai形式のファイルを開ける場合が多いのは良い点です。

ネット上には.ai形式で配布されているサンプルや講座の素材がたくさん転がっていたりするので絶対に便利。ただし、前述したようにIllustratorを使った時と全く同じようにはいかず、何かしらが崩れてしまう場合も多いので、複雑な内容になるほど.aiファイルは扱いにくくなると思われます。その崩れたファイルを回復するのに必要な工数はコストとして計算に入れたいところ。

用途によっては致命的な問題点「印刷物に使えない」

この手のソフトには色の形式が2つあります。

  • 画面上で使う「RGB」
  • 印刷物で使う「CMYK」

InkscapeはCMYK非対応なので、原則印刷物に使うことができません。

そもそも、他の無料ソフトもCMYKには非対応です。この点はどうしようもないと感じており、CMYKを使いたいのであれば無料ソフトを諦めてイラレを使うのが現実的だと考えています。

でもInkscapeなら大体一通りこなせる

気になる点はあるけれど、とても多機能なInkscape。

ここまで説明した通り、本家Illustratorと違う独特な使用感はちょっと辛い。でも機能の面だけを見れば、ベクター編集ソフトとして作りたいものを(ほぼ)きちんと生み出せるはずです!あと印刷物作りたい人は諦めてもうイラレ買っちゃいませんか?

最後にまとめ!

  • GravitDesigner(現:Corel Vector)がオススメだったが、現在は「Inkscape」がオススメ。
  • Macユーザーなら「Vectornator」も試してみたい。
  • ただし、印刷物向けの形式「CMYK」には他の無料ソフト含め非対応。
  • 印刷物を作りたいなら諦めてイラレを使おう

【選択肢】本家Illustratorを単純に45%引きで安く使う

「もう少し安いなら有料でもIllustratorを検討するが、今の値段では手が出なかった」というのであれば、Illustratorを含めたAdobeコンプリートプランをおよそ45%引きで購入できる方法を見つけたので以下の記事で紹介しています。

【格安】Adobeソフトを誰でも簡単に45%引きで購入する方法!【年間3万円以上節約】

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簡単に説明すると、Adobe公認の通信講座「Adobeマスター講座」に申し込むと一緒についてくるAdobe Creative Cloudを利用するというもの。この講座の費用が39,980円なので、Adobeで直接契約するより45%程度安くなります。

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Adobe公式サイトで申し込むよりは少し手間になるのはデメリットですが、「何度も繰り返し購入可能」「Adobe公認」「3万円以上得」「商用利用もOK」と普通に使えるものなで検討する価値は十分あります。

【選択肢】とりあえずIlllustratorの無料体験版を使ってみる

そもそも本家Illustratorにも無料体験版はあるので、とりあえずこちらを使ってみても良いのではないのでしょうか。無料体験版は公式サイトのこのページから登録して始めることができます。

詳しい体験期間のカウント方法や解約の作業についてなど、期間体験版の仕様についてはこちらの記事にまとめてあるので参考にしてみてください。

【選択肢】Adobe公式のセールを狙う

もしくはAdobe公式もセールをしているので一度チェックしてみるといいでしょう。このブログのサイドバー(PCなら記事右側のエリア)に最新のAdobeセール情報を貼っているのでご参考にどうぞ。(2023年からセール開催頻度がかなり減っています)

Photoshopの代替になる無料ソフトについても調査したのでよろしければ参考にどうぞ。Photohopの類似ソフトはIllustratorの類似ソフトより数が多いのでなかなか難航しましたが、ひとまずまとめることができました。

【2022】Photoshopを無料で使いたい。オススメできる代替ソフト1選【結論:Photopea】

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