・安くても良質なゲーミングチェアって無いの?
・安物のゲーミングチェアって数年使ったら壊れたり使い心地が悪くなったりしない?
・低価格帯のゲーミングチェアと比較してどうだろう?
この記事では以上の疑問を解決します。
座りながらの作業に欠かせない椅子のなかでも座り心地の良いゲーミングチェアはゲーマーに限らず長時間座って作業する様々な人から注目を浴びています。
ニトリの椅子でお尻が痛くなって椅子を買い換えようと思ったのが3年前。とにかく安いものを、と考えていたのですが、有名ブランド『AK-Racing』『DX-Racer』のゲーミングチェアは3万円~5万円とかなり高価。
2万円程度の怪しげな中華メーカーの椅子に紛れて販売されていたのがE-WINのゲーミングチェア。今回は僕が3年間愛用しているE-WIN『CL-BG1C』のレビューと共に、他の安価なゲーミングチェア『GTRACING』と比較しながら安いゲーミングチェアの選び方を掘り下げます。
まぐです。デザインや映像を扱う東京在住のフリーランス。デザインの独学や仕事道具、フリーランスの生活術・節約術を発信しています。
ゲーミングチェアー E-WIN『CL-BG1C』のカタログスペック
レビューの前に、スペックだけ確認します。
比較するのは最も有名なAKRacing/Pro-X V2と、安価な価格帯であるGTRACING/GT002です。
AKRacing/Pro-X V2 | E-WIN/CL-BG1C | GTRACING/GT002 | |
価格(執筆時点) | ¥54,321- | ¥22,900- | ¥17,800- |
背もたれ幅 | 55cm | 54cm | - |
奥行き | 55cm | 57cm | - |
高さ | 95cm | 84cm | 矛盾あり |
座面下高さ | 32~39cm | 31~39cm | 32~40cm |
座面厚さ | 13cm | 10cm | 約10cm |
重量 | 25kg | 約25kg | 約22.18kg |
保証期間 | 3年 | 1年 | 1年 |
表面材質 | PUレザー | PUレザー | PUレザー |
Amazon販売開始 | 2020/4/7(最新Ver.) | 2016/9/30 | 2017/9/19 |
保証期間と価格以外で、数値上のスペックはおおよそ横並び。
数値に表れない部分にAKRacingとE-WIN、GTRACINGの座り心地の差ははっきりとあります。AKRacingは背もたれが包まれるような形状になっているに対して、E-WIN、GTRACINGはまな板です。
個人的に気になったのはGTRACINGのスペック表示が雑なこと。公称「高さ120.65cm~132.08cm」とAmazonに表示されているのですが、「座面下高さ32~40cm」と計算が合いません。
E-WIN『CL-BG1C』を3年使った感想と劣化具合
E-WIN『CL-BG1C』を3年使っての変化をまとめます。参考までに、僕の場合は一日平均して約8時間ほど座り続けていると思います。また、モノは大切に扱うタイプです。(スマホの画面を11年間で一度も割ったことがありません)
座り心地には十分満足
・何時間座ってもお尻が痛くならない
・背もたれに体を預けてリラックスした姿勢もかなり楽
基本的な部分はおさえています。背もたれの使い方について、ランバーサポート(腰当て)とヘッドレストが大きめなので、体全体が少し前に出る感覚で背中は背もたれに軽く触れることになります。
背の高い方にはヘッドレストの位置が低く感じられるでしょう。私は下記写真のようにして対応しました。185cmを超えるとこれでもちょっと厳しいかも。
素材はPUレザー・・・平たく言うと人工革。夏場は蒸れるのですが、僕は汗を吸って湿気っぽくなるメッシュ生地や布生地よりこちらのほうが好きです。好みの問題ですね。
ちなみに、前傾姿勢での作業(モノ書きなど)では背もたれの意味が皆無です。ゲーミングチェア全てに言えることですが、勉強する学生さんには向かないでしょう。
3年使って少しずつ現れる変化
2年半ほどで変化を感じ始めたのは「座面クッション」「PUレザーの劣化」「ランバーサポート、ヘッドレストを固定するバンド」の3点。いずれも同時期に感じた劣化です。順番に解説します。
まず最近になって座面のクッションがお尻の形に沿って窪み始めました。とはいえお尻が痛くならないのは相変わらず。座った違和感も少なく、まだまだ使えそう。
同時にPUレザーが一部割れ始めます。見た目に目を瞑ることができるのなら使用感は変わりなし。
バンドがヨレヨレに。これは流石に仕方ありません。辛うじてまだ機能はしているのですが3年持っているだけで上等といったところ。
ゲーミングチェア、カタチのデザイン
このブログで製品レビューをするときはプロダクトの形「スタイリング」をレビューしています。よろしかったら少しお付き合いください。読み飛ばしてもいいですよ。
ゲーミングチェアの特徴は長時間座っても疲れないこと、そしてヘッドレストまでついたハイバックであること。よくアーロンチェアなどのオフィスチェアと比較されますが、ハイバックはゲーミングチェア特有の特徴です。
ゲーミングチェアってほとんどの人の部屋には合わないSFなデザインをしていますよね。ゲーミングチェアがこのようなデザインになったのはもともとレーシングカーの座席がいわれだろうと思われます。カーレースの場合は様々な方向からの衝撃を吸収するために左右が大きく出っ張った「バケットシート」が役割を果たしますが、ゲーミングチェアではただの飾り。
では、なぜゲーミングチェアは必要性がなく、カッコいいとはいえめっちゃSFなデザインをしているのか。
わからん。
いや、もちろんいくつか仮定できることはあります。「初期のゲーミングチェアがこういうデザインだったから後続がそれを真似ることで簡単に"っぽさ"を出して参入できる」とか、「ゲーマーはピカピカ光ったりする派手でサイファイなモノが好きだからそれに合わせてる」とか。
しかし、最近のゲーミングチェアのブランドは「ゲーム以外の作業にも!」「オフィスで最適!」なんて打ち出し方をやっているんですよね。
面白い事実、「同価格帯(2~4万)で長時間座り心地良く座れる椅子を探すならゲーミングチェアしかない」んです。座り心地の良さで有名な「アーロンチェア」「Leap」はどちらも10万以上します。もちろんゲーミングチェアより心地いいですが・・・!
(追記:2020年後半になってからいろいろを良さげなものが出始めましたね...コロナによるテレワーク需要から来ているのでしょうか?)
低価格帯の座り心地を追求した椅子としてゲーミングチェアをモダンなデザインに落とし込めば飛ぶように売れると思うんだけどな〜!誰か作ってくれないかな〜〜!!
以上、ゲーミングチェアのカタチのデザインでした。
同価格帯「GTRACING」と比較してどちらがいいのか
僕がE-WINを買った後に登場した2万円弱のゲーミングチェアGTRACINGシリーズのGT002。E-WINと比較したときにどちらが買いでしょうか。
GTRACINGのAmazonレビューを見る限り新品の座り心地も良い模様。私的に気になるのは上でも紹介した商品ページの矛盾と、会社情報の不明確さ。
GTRACINGの公式ウェブサイトを見ると分かるのですが、ほとんどのリンクが正しく機能していません。サポートページのいずれかを選ぶとトップページに戻る。更に「GTRACINGについて」を押すとAmazonページへ。更に会社所在地を検索するとマンションの一室。一方、E-WINブランドの所在はアメリカ合衆国オハイオ州とはっきり示されています。評価や会社、参入してからの期間を見て安心できるのはE-WINです。
それでも忘れてはならないのが、「安いは正義」。GTRACINGの2万円を切る価格は圧倒的な魅力です。
ということで両者のメリット・デメリットを以下の表にまとめます。
E-WIN/CL-BG1C | GTRACING/GT002 |
---|---|
3年目も十分使える | 長く使えるか不明(日本上陸から3年経たない) |
アメリカのメーカー | 実態の掴めないメーカー |
2万円強 | 2万円弱 |
十分に使える性能 | (Amazonレビューによると)十分に使える性能 |
評価や会社、参入してからの期間を見て安心できのはE-WINです。
僕が2020年の今、ゲーミングチェアを買うとしたら、「この先1~2年で引っ越す予定があって、その時に捨てる前提で買うならGTRACING」「長く使うつもりならE-WIN」といった選び方をします。
皆さんのゲーミングチェア選びに役立てば幸いです。