一番安く、かつ手っ取り早くストレージを増設するのにもってこいなのがHDD。
この記事では、ドスパラのデスクトップガレリアで増設するHDDの選び方から取り付け方法までを丸ごと解説します。
パーツを交換するとガレリアの保証は受けられなくなります。もし問題が起きた場合、元々のパーツ構成に戻すことで対応してもらえる場合もあるので、交換後も保証期間終了までは保管しておくことをおすすめします。
HDD増設は難易度こそ高くない部類の作業ですが、時に故障する危険もあります。必ず自己責任で作業してください。
当ブログではガレリアの各パーツを交換、アップグレードする方法を解説しています
- ガレリアのSSD増設方法・選びかた【容量を増やす】
- ガレリアのHDD増設方法・選びかた【安く容量を増やす】←この記事
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2種類の保存方法「HDD」と「SSD」はどちらがいいのか
ストレージには大きく分けて「HDD」と「SSD」の2種類があります。
この2つはどちらもストレージではあるものの、特徴も価格もまったく異なることから、用途も変わってきます。
まずはガレリアのストレージを増設する際には「HDD」と「SSD」のどちらが適切なのか、簡潔に確認しておきましょう。
HDD | SSD | |
---|---|---|
価格あたりの容量 | ◯安い | ×高い |
データをやりとりする速度 | ×遅い | ◯速い |
衝撃耐性 (落としても壊れにくいか) | ×壊れやすい | ◯壊れにくい |
寿命 | ×SSDより短い | ◯HDDより1.5~2倍程度長い |
容量と価格の目安 | 8TBで1万円台後半 | 2TBで2万円前後 |
HDDは低速大容量であることから、普段は使わないデータを大量に保管する用途で活躍します。
一方でSSDは高速である代わりに高価で容量も少なめ。普段からよく使うソフトのインストール先や、動画編集で使う動画ファイルの置き場として利用されます。
自分の用途にあったストレージを選ぶようにしましょう。
【まとめ】HDDとSSDの選びかた
- HDD:普段使わないファイルを大量保存したい時におすすめ
- SSD:普段からよく使うソフトやファイルの置き場所におすすめ(ゲームも基本的にはこちら)
SSDの増設方法は以下記事で解説しています。
HDD選びで覚えておく規格は2種類のHDDの大きさ「2.5インチ / 3.5インチ」だけ
PCパーツをPCに組み込むときは、PCが対応している規格にパーツを合わせなければならないことが多々あります。
しかし、HDD選びで必ず確認しなければならない規格はHDDの大きさだけ。簡単ですね。
HDDには主に2.5インチと3.5インチの大きさが用意されています。3.5インチは主にPCに使われる最も一般的なサイズで、2.5インチはPlayStation 4やノートパソコンなどで使用されます。
ですので、ガレリアでHDDを使うのであれば3.5インチを選んでおけば問題ありません。
HDDの大きさまとめ
- ガレリアで増設するHDDは3.5インチのHDDを選べばOK
- 3.5インチは一般的なサイズで、主にPCに使われる
- 2.5インチは用途が限られていて、PlayStation 4やノートパソコンなどで使われる
以前は端子に種類が複数あったのですが、現在はほぼ統一されたので気にしなくても大丈夫です。
HDD選びで気をつけたいこと
HDD選びで性能やコスパを左右する要素はあまり多くなく、有名なメーカーであればだいたいどれを選んでも大丈夫。
それでも見ておくと良い項目がいくつかあります。順番に解説します。
- 『RPM』はHDDの速度(回転数)を示す
- 『キャッシュ容量』は読み込み速度に少しだけ差が出る
- 『耐久性』はHDD選びの大切なポイント
- 『CMR』と『SMR』
- HDDの『ストレージ容量』
『RPM』はHDDの速度(回転数)を示す【大きいほうが高速】
SSDとの比較で紹介した通り、HDDの弱点は読み書き速度の遅さ。しかし、HDDなら全てが同じ速度というわけでもありません。
実際には製品によってディスクの回転速度が異なることから、読み書き速度に若干の差がつきます。
HDDはDVDやブルーレイディスクのような回転するディスクに情報を保存しています。
HDDの回転速度を示すのが「RPM」という値。これは1分あたりの回転数を示しています。ちなみに、内蔵HDDで主流となっているのが「5400rpm」と「7200rpm」の2種類です。
rpmが大きいと起きること
- 読み書きの速度が早くなる
- 発熱しやすくなる
- 駆動音が大きくなる
このRPMの値が大きいほうが理屈としては読み書きが早いことになります。
では速いほうのHDDを買うべきかというと、そうとは限らないのが現実。
上の図のように、速いHDDを買ってもSSDのかわりに映像制作に使えたり、リッチな3Dゲーム使えるようにようにはならないのです。
速さに差はあるが、用途がそれによって用途が変わるほどの差でないんですね。
速いHDDを買っても遅いHDDを買っても「普段は使わない大量のデータ保管用」というHDDの役割は変わらないため、rpmはあまり重視しなくても良いものだと筆者は考えています。
強いて言えば、HDDに保管する数百GB、数TBもの大きいデータを出し入れする際には作業時間に差が生まれます。
高頻度で大量のデータを読み書きするのであれば速度(rpm)に目を向けてみるのもありかもしれません・・・と言いたいのですが、それならSSDがおすすめです。
『キャッシュ容量』は読み込み速度に少しだけ差が出る
HDDの「キャッシュ」は、パソコンでいうところのメモリに近いもの。256MBか512MBを搭載されていることが多いです。
キャッシュが大きいと若干読み込み速度が早くなる効果があるのですが、その差は体感できるか怪しいほど小さいです。HDDを選ぶ時にキャッシュの項目は基本的に見なくても大丈夫です。
『耐久性』はHDD選びの大切なポイント
HDDは消耗品なのでいつか壊れます。そこで気になるのが、どのHDDなら壊れにくいのかということ。
実際にHDDは製品によって大きく耐久性が異なり、それによって価格も用途も変わってきます。
このことはメーカー側も織り込み済で、多くのメーカーは耐久度別に製品を展開しています。例えばWestern Degitalなら以下画像のような感じ。
耐久性の高いものは監視カメラやデータサーバーなど、24時間に稼働し続けなければならないハードな業務向けに設計されています。しかしこれらは私達一般ユーザーが使ってももちろん大丈夫。実際に使っている人は多くいますし、僕もGoldとUltrastarを活用しています。
予算や、壊れた時に買い替える手間を天秤にかけてHDDを選ぶと良いでしょう。
しかし、最も一般向けのモデル(Western DegitalならBlue)が結局はコスパの視点で見ると最も優秀である場合が多いです。PCにつなげて使う場合、迷ったなら一般向けモデルをおすすめします。
以前は「Seagate製HDDは壊れやすく、WD製HDDは壊れにくい」など、メーカーごとの品質の差が取り立たされたこともあります。現在では気にしなくていい程度に差が縮まっています。
Tips: 『CMR』と『SMR』
HDDを選んでいるとCMRとSMRという単語を見かけるかもしれません。これらはHDDを扱う方式のことで、2つのどちらかが採用されています。
HDDのメーカーはそれぞれ方式による良い点、悪い点込みで「一般向け」「高耐久」などとHDDの耐久性を売りに出しています。ですので、初心者さんがこの方式を気にする必要はあまり無いでしょう。
もし迷ったら、「CMRのほうが耐久性も値段も高い」くらいの感覚で覚えておけば大丈夫です。
HDDの『ストレージ容量』
HDDのストレージ容量は多いほどもちろん高価になりますが、必ずしも容量と価格がそのまま比例するとは限りません。
画像の場合を見ると、実際に比較してみると次のようになりました。
HDDの容量 | HDDの価格 | 1TBあたりの価格 |
---|---|---|
8TB WD80EAAZ-AJP | 18,980円 | 2,372円 |
6TB WD60EZAX-AJP | 15,530円 | 2,588円 |
4TB WD40EZAX-AJP | 12,080円 | 3,020円 |
1TBあたりの価格を計算すると、8TBのHDDが一番コスパの良い計算ですね。
今回は1ブランドのHDDで比較しましたが、このように2024年後期現在は8TBのHDDがもっとも容量あたりのコスパが良くなる場合が多いです。
自分の用途にあった容量のHDDを選ぶのも賢いですが、もし迷うのであれば8TBを選んでおくと損する可能性が低いでしょう。
ガレリアに増設するHDD選びで気をつけたいこと【まとめ】
- 「RPM」や「キャッシュ」は、HDDの速度に影響するもの。しかし、HDDの速度にはあまり目を向ける必要がない。
- 耐久性で価格が変わる
- 1TBあたりの価格で見ると、容量8TB付近のHDDがもっともお得(2024年後期時点)
ガレリアのHDD増設におすすめの製品
ここから初心者さんがガレリアのHDDを増設するのにおすすめの製品をまとめます。
初心者さんがガレリアに増設するHDD選びにこだわるとすれば、性能ではなく、トラブルの起きやすさや起きた場合の対処のしやすさを基準に選ぶことをおすすめします。
トラブルの起きにくいメーカーや起きた場合の対処がラクなメーカーは次の基準で分かります。
- 流通量/シェア割合が多い
- 日本のユーザーが多く、メーカーのHDDについて検索すると情報が多く出てくる
これを基準におすすめを2つピックアップします。
基本的には3.5インチのHDDから適当なものを選んでしまってもある程度はなんとかなります。
WesternDigital WD Blue WD80EAAZ
基本的には世界シェアトップのWesternDigital製HDDを選んでおけばまず間違いはありません。
HDD選びが面倒なら、もしくはこだわりが無いのであればまずこれを選んでおけば大丈夫です。
ユーザーが多く、日本語の情報も豊富。価格の安さもトップクラスと、抜け目のないHDDと言っていいでしょう。筆者もこのHDDを4台ほど運用しています。
2TB~8TBまで選択可能
世界に存在するHDDの3台に1台がWesternDigitalであるとの噂もあります。
Seagate BarraCuda ST8000DM004
最初に紹介したWesternDigitalに次いで2番手になるのがSeagateというメーカー。
WesternDigitalとSeagateの価格がもつれいているような場合が多いのですが、セールなどでSeagateが安くなる場合にはこちらを選んでしまっても問題ありません。
1TB~8TBまで選択可能
筆者はここで紹介しているSeagate BarraCudaと、耐久性の高いSeagate IronWolfを1台ずつ運用していますが、今のところ快適です。
HDD以外に必要なもの
ガレリアにHDDを増設するとき、HDD本体以外に必要なものがもう1つあります。
それが、本体とHDDをつなげる「SATAケーブル」です。
手元にSATAケーブルが無い場合は事前に購入しておきましょう。
ガレリアにHDDを取り付ける方法
HDDが届いたら早速増設しましょう。
1. 電源を切ってコンセントを抜く
作業に入る前に必ず電源を切ってコンセントを抜き、数分待ちましょう。静電気が時にPCパーツの故障の原因になることもあります。
3. ガレリアの中から3.5インチベイを取り出す
ガレリアの側面を開けると、画像のようなトレーがあると思います。
これがHDDを搭載するお皿です。
基本的には手前に引っ張ることでロックが外れてトレーを取り出せます。
ガレリアのモデルによってはネジで固定される場合もあるので、一度探してみましょう。
3. トレーにHDDを取り付ける
次にHDDをトレーにはめ込みましょう。
トレー裏側の爪を押しながら横に引っ張るとトレーが開き、HDDをはめられるようになります。
トレーにHDDを置いたら、トレーの突起とHDDの穴を合わせながらトレーを閉じます。
4. トレーを元の場所に戻す
HDDをトレーに固定したら、ガレリアに戻します。
取り出す時にトレーがネジで固定されていた場合は、ネジ止めも一緒にしましょう。
5. HDDと本体、電源をケーブルで接続する
最後にHDDとガレリアをケーブルで接続します。
必要なケーブルは2本。電源ケーブルとSATAケーブルです。
電源ケーブルはもとから付属していることが多いと思います。詳しくは後述します。
まず、SATAケーブルを挿す場所はガレリアの表側、以下画像の場所。
電源ケーブルはガレリア裏側にニョロニョロ伸びている事が多いと思います。以下画像参照。
電源の機種によっては、ニョロニョロ伸びていない場合もあります。その場合は、ガレリアを買った際に余った電源ケーブルが一緒についてこなかったか確認してみましょう。(万が一電源ケーブルが無い場合は別途購入が必要になりますが、かなり珍しいケースだと思います。)
2本のケーブルはガレリアの背面、以下画像の場所からHDDに差し込めます。
2本のケーブルがつなぎ終わったらガレリアの中身を弄る作業は終了!電源をつけてフォーマット作業に移ります。
6. 電源を入れてフォーマットする
SSDは取り付けたら最後にフォーマットして使える状態にしましょう。(Win10の場合)
Win10の場合
- スタートボタン(旗マーク)を右クリックして「ディスクを管理」を選択
- 新たに挿した未割り当てのHDDを選択して「新しいシンプルボリューム」を選択してウィザードを起動
- ウィザードに従って操作を進める
フォーマットが終わったらHDDが認識されているか確認して作業完了です!お疲れ様でした!
ガレリアの他パーツ(メモリー増設、GPU・CPU・ケース換装)についても別記事で解説しています
当ブログではガレリアに搭載された各パーツをアップグレードする方法やパーツの選び方について初心者向けに分かりやすく、かつ簡潔に解説しています。