この記事を読むと分かること
- 時短を目的にしている人にSOLOTAをおすすめしない理由
- 一人暮らしで食洗機を導入しようと思っている人が気をつけること
一秒を争って生きる令和のホモ・サピエンスが握る新たな武器「新・家電三種の神器」の一角として注目されているのが、食洗機です。
しかし、信頼できる大手メーカーが販売する食洗機は家族向けの大型ものものが多くを占めていました。その中で、パナソニックが一人暮らし向けのパーソナル食洗機「SOLOTA」を発売しました。
SOLOTAはおよそA4用紙に近い接地面積でワンルームでも設置場所を見つけやすく、水道工事も不要。あまりにも自分向けすぎるスペックを見てつい購入してしまいました。
このSOLOTAを半年実際に使ったうえで、SOLOTAを検討している人や一人暮らしの食洗機導入を検討している人に僕は言いたい。
時短が目的ならSOLOTAは買うな。
先に結論を言ってしまうと、ぜんぜん時短にならなかったのです。
SOLOTAを使った経験に基づいてその理由と対策を解説します。
食洗機を導入する目的
そもそも食洗機を導入する目的はどこにあるのか、最初にまとめます。
食洗機を導入する目的
- 家事の時短化 ←筆者はこれ
- 節水による節約をする
- 手荒れの予防
①食洗機を導入することで時短ができる?
食洗機を導入する理由は人それぞれですが、一番大きいのは時短化でしょう。筆者が食洗機を導入した理由もこれ。
実際に多くのインフルエンサーが時短をするための道具として食洗機をおすすめしていますよね。
広告「4人家族なら食洗機を導入するだけで◯分節約になります!」
・・・しかしSOLOTAの小さな容量なら?一人暮らしなら?
この記事で一番言及したいのはこの時短の部分です。詳しくは後述します。
②節水による節約ができる(効果は雀の涙ほど)
食洗機は意外にも家計に優しいと言われています。その理由は水の使用量が手洗いする場合よりも少ないことが理由。
これについては事実で、きちんと裏付けされたデータがあります。
SOLOTAの場合は1回の使用水量が約2.5リットルです。筆者が1人分の食器(大皿、お椀、箸、コップ)を手洗いで洗うと5~8リットル程度の水を使うので、実際に大幅な節水になっています。
Panasonicは公式サイトで手洗いする場合の1回の使用水量を約20Lと設定していますが、これはかなり盛り過ぎだと思います。
時間があったら一度バケツに水を貯めながら皿洗いをして実際に水量を測ってみてください。水栓を全開にしてジャブジャブ使わない限り、一人暮らしなら10L程度には収まっているはずです。
一方、食洗機には電気代がかかります。その中でも一番コストが嵩むのが乾燥時の熱風。しかしSOLOTAの場合は加熱せずに送風するのみなので電気代はかなり抑えられています。
③手荒れの防止になる
水や洗剤に触れなくて良くなるので、食洗機は手荒れの防止にも役立ちます。肌荒れに悩んでいる人には、これが一番の購入理由であるひともいるでしょう。
SOLOTAは一人暮らしに焦点を当てた食洗機。自分にぴったりなはずだった。
ひとり暮らしを、もっと自由に。
Panasonic公式サイト https://panasonic.jp/dish/products/NP-TML1.html
パーソナル食洗機SOLOTA、誕生。
SOLOTAはあからさまに一人暮らしを対象にした売り方をしています。
小さなサイズ感で水道工事も不要。
「時短家電を活用して時間を作りたい、しかし狭いワンルームだからおけるスペースが限られる」
そんな自分のニーズを完璧に満たした食洗機であるように見えて、SOLOTAの購入を決意しました。
しかし半年ほど使った現在、メルカリに売ることを検討しています。次はその考えに至った理由に続きます。
SOLOTAは時間の節約にならない【実際に手洗いと食洗機でかかる時間を比較した】
筆者が食洗機「SOLOTA」の購入をした目的はたったひとつ。それは「時短」です。
しかし、結論SOLOTAは時短になりません。
実際に時間を計測してみました。食器は以下の3点です。
- 箸
- カレー皿
- コップ
タイム計測の様子は動画参照(1:40計測開始)
そして結果はこちら。
- 食洗機 SOLOTA:食器3点で40秒
- 手洗い:食器3点で43秒
わずか3秒差。正直、有意な差は感じられない時間差です。
SOLOTAが時短にならない理由
SOLOTAで皿洗いするのにかかる時間と手洗いにかかる時間がほぼ同じだった理由は2つあります。
- SOLOTAはタンクの補充に時間がかかるから
- SOLOTAは洗える食器の数が少ないから
SOLOTAはタンクの補充に時間がかかるから
時間がかかる大きな要因は食洗機のタンクにあります。SOLOTAは水道直結型ではなく、手作業でタンクに水をいれるタイプ。
タンクを取り出してぁら水を入れて戻すまで、20秒程度の時間がロスになっています。
上述の時間比較では、タンクに水を貯めている間に食洗機用洗剤を入れる工夫をしていますが、それでも時短と言えるほどにはなっていません。
SOLOTAは洗える食器の数が少ないから
どれだけたくさんの食器を入れてもタンクに水をいれる時間は変わらないのだから、たくさんの食器を詰め込めば良いのでは?
そう考えて色々と食器を詰めてみたのですが、SOLOTAは食器を少し増やすだけで驚くほど洗えなくなります。
今「もっと隙間に詰めれば良いんじゃないの」と思った鳥取県の奥さん、素晴らしい着眼点です。
しかし実際には拭き上げる水が食器の隙間に入り込む余地を用意しながら食器を配置してあげる必要があります。
例えば以下のケース。これだと左の保存容器に拭き上げた水が入れません。さらに、上から跳ね返る水についても赤く示した部分がぴったりと蓋をしてしまうために入ってこれません。
次に以下のケース。丼ぶりの底が邪魔をして、カレー皿の上部まで拭き上げる水が届きません。
このように、食器を並べるたびに水の声を聞きながらお皿を並べなければ、すぐに洗い残しが出てきてしまいます。
SOLOTAの購入を検討してもいい人・食洗機を使いたい一人暮らしが検討すべきこと
結論、時短のためにSOLOTAを購入すると幸せになれません。
一方、水や洗剤に触れなくていいことから手荒れを防ぐことは可能。手荒れを防ぐことを第一の目的としているのであれば、SOLOTAは検討の余地があるでしょう。
時短を目的とするのであれば、「手動直結」で「容量がもう少し大きい」ものを選ぶことをおすすめします。
パナソニックであれば、SOLOTAに次いで2番目に小さい食洗機「NP-TCR5」あたりが現実ではないのかと思います。今後実際に購入して使ったうえで記事にする予定です。
SOLOTAをどうしても使いたい人へ
実はSOLOTAを購入する前から「もしかしたらあまり時短にならないのでは・・・?」と勘づいてはいたのですが、物欲に負けて購入してしまったのが正直なところ。
もし僕と同じ気持ちのかたがいるのであれば、お財布の傷を小さく抑えるため、せめて中古で購入するか家電レンタル系のサービスで使用感を確かめることをおすすめします。
メルカリはSOLOTA出品数は結構多いです。ただ個人的にメルカリでの家電購入はトラブルが多いために上級者向けと思う節もあり、活用が難しいところ。
メルカリでSOLOTAを探す
【最後に】SOLOTAを開発したPanasonicには感謝している
おそらくSOLOTAの購入を検討している人の大半は時短を目的にしていると思います。
この記事はその時短を否定するものなので、それはまるでSOLOTAそのものを否定しているようにも見えるかもしれません。
しかし、一人向け食洗機を開発したPanasonicにはむしろ感謝したい気持ちがあります。
というのも、狭いワンルームや1Kで生活している一人暮らしには食洗機の選択肢が狭く、手を出すチャンスすら与えられていない状況でした。そこに切り込んでくれる姿勢は一人暮らし勢としてとても嬉しく、そして頼もしくもあります。
Panasonicが今後出す一人暮らし時短家電に期待しています。